時短学習のポイント
まず、必ず地図を使って伝統的工芸品の名前と産地をおぼえると記憶の定着がしやすいのでお勧めです。次に現代の工業と比較して違いを理解します。そのうえで伝統工業が現在抱える課題について把握すると応用がきかせることができるかと思います。
(入試問題の傾向)
中学入試では地図に伝統的工芸品の産地が図示されていて、その伝統的工芸品の特色がかかれた説明分を指摘する問題が出題されています。
伝統的工芸品の定義
伝統的工芸品の定義は
”100年以上前から続く技術や原料が受け継がれ主に手作業で作られる工業のこと”
毎日の生活に使われる日用品が多いです(着物、茶碗、お椀等)。
伝統的工芸品の生産には関わる人数は少ないながらも産業として成立している(ただし、現在は国の補助がないと厳しい)
主要な伝統的工芸品と産地をおさえる
陶磁器:九谷焼(石川県)、伊万里焼・有田焼(佐賀県)
漆器:輪島塗(石川県)
織物:西陣織(京都府)
和紙・文具:越前和紙(福井県越前市)、美濃和紙(岐阜県美濃市)、土佐和紙(高知県いの町)
人形
木工品・金工品
織物と染物、和紙
<織物と染物の違い>
織物は糸の段階で染めている、染物は着物を後から染めている違い
<織物>
・絹織物>生糸>蚕(かいこ)
⇒西陣織、桐生織、結城つむぎ、置賜つむぎ
西陣織と結城つむぎの特徴の違いは糸の染め方が違うと抑える程度
・綿織物>綿糸>綿花 久留米がすり、十日町がすり
・麻織物>麻糸
⇒横綱の綱や漁業の網にも使われる
(おまけ情報)
ここは覚える必要はありませんが麻の歴史は古く、後から麻(ヘンプ)と苧麻(ちょま:からむしと呼ばれ上布という麻布の原料)があり、明治時代に亜麻(あま:リネン)が輸入されてますがそれぞれ品種自体が異なります。
<染物>
加賀友禅、京友禅、琉球びんがた
<和紙>
原料 こうぞ、みつまた
和紙は樹木の皮の部分の樹皮の繊維を用い、洋紙は樹木の皮ではなく幹の部分を粉々に砕いた繊維を利用しパルプにします。
( おまけ情報 )
こうぞ(楮)は日本の野山や川原に自生していますがあまり見かけることはないかなと思います。 繊維は太く強いのが特徴。こうぞの産地としては、那須こうぞ、土佐こうぞが有名です。一方、みつまたはお花屋さんに行くとジンチョウゲという花でご存じの方もいらっしゃるかとおもいまます。みつまたはその名のとおり枝が3つまたに分かれています。和紙の原料として用いる樹皮の繊維は細く強いのが特徴となります。
伝統工業が現代工業との違う点
・大量生産ができない⇒主に手作業であるため
・そのため時間がかかるので製品の価格が高い
・優れた独自技術の習得に時間がかかる
⇒したがって後継者が激減(1人前になるまで時間がかかるので食べていくことができない)
また、伝統工業は主に日本国内の自然の原料が使われますが、その原料自体が日本国内でとれなくなってきている
今、伝統工業はこれらの問題に直面しており、存続維持が厳しい状態にあります。
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